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【中学受験の算数】女子の苦手を得意に変える対策と入試戦略

【中学受験の算数】女子の苦手を克服して合格する入試戦略 算数

「中学受験は算数で決まる」というフレーズを聞いたことがある親御さんも多いと思います。中学受験の算数は、小学校で習う算数のレベルをはるかに超えた難易度の問題が入試に出題されます。習得するのにかなりの勉強量を必要とし、合否を決定づけるキーとなる科目であることは間違いありません。

さらに、算数は多くの小学生の女子にとって、嫌いな科目ナンバー1であるといわれています(※筆者調べ)。つまり、算数は「嫌いだけど、志望校の合格には必須」の科目なのです。

今回は「算数が苦手な女子」のいる親御さんに、算数の苦手意識を克服する基本的な対策と入試戦略をお伝えします。

「女子は算数が苦手」は本当?

塾講師・家庭教師を長く経験していると「女子は算数が苦手」といわれることがあります。実際、中学受験に臨む小学生の女子に苦手科目を聞くと「算数」という答えが返ってくることが多いようです。本当に女子は算数が苦手なのでしょうか。

模試・テストのデータも「女子は算数が苦手」を表している

筆者は20年以上中学受験の算数を教えていますが、塾内の月例テストや入試直前の模試などのテストでは、男子の平均点より女子の平均点のほうが低い結果となっています。もちろん例外もあるのかもしれませんが、筆者は見たことがありません。データが「女子は算数が苦手」を表しているのです。

ちなみに、「女子は算数が苦手」と同列で語られる言葉に「男子は国語が苦手」というものがあります。やはり模試やテストの結果を見れば、女子の平均点よりも男子の平均点のほうが低い結果であることがほとんどです。やはり、データが「男子は国語が苦手」を表していると言えます。

もちろん、算数の得意な女子や国語の得意な男子も多くいますが、全体を見れば「女子は算数が苦手」という傾向に間違いはなさそうです。

家庭教師・塾講師としての経験からも「女子は算数が苦手」と感じる

筆者は家庭教師と塾講師の両方の経験がありますが、隣で一緒に学習している感覚、教室で教えている感覚でも、やはり「女子は算数が苦手」だと感じています。

特に「立体図形」などの空間認識を必要とする単元などは、その傾向が顕著です。立方体を切断して切り口の形を考えたり、切断したあとの体積を求めたりする問題では、お手上げ状態になってしまう女子が少なくありません。

その原因は、幼少期の遊びの種類に起因するのかもしれませんし、男子と女子の脳の構造に起因するのかもしれません。

このあたりのお話は幼児教育や脳科学を専門とする先生方にいつかうかがってみたいと考えていますが、中学受験をする小学生の女子の多くが「算数に苦手意識を持っている」ということは間違いなさそうです。

女子ならではの算数の強み

多くの小学生の女子にとって苦手な算数。しかし、実は女子ならではの強みもあります。

丁寧に書く読みやすい数字

まず挙げられる女子の強みは、字を丁寧に書けることです。字をきれいに書く男子や字を雑に書く女子ももちろんいますが、一般的に女子は丁寧に読みやすい字を書く子が多いと思います。

どんなに算数の問題を解く力が高くても、点数をとって合格するには「ケアレスミス」をなくさなければなりません。この「ケアレスミス」の大きな原因の一つは、雑に書かれた字です。字を雑に書くと、自分の字を読み間違えることがあるのですね。逆に、丁寧に読みやすい字を書ける生徒さんは有利だといえるでしょう。

式をきちんと書ける

4年生くらいまでは、きちんとした式を書かなくても解ける問題が多く出題されます。しかし、5年生、6年生と学年が上がっていくにつれて条件が複雑になり、計算の難易度も上がっていきます。思考の過程を式として残し、その式を見ながら最短の計算で答えを出す工夫をすることが必要となるのです。塾の授業でも「きちんと式を書きなさい」と言われるようになります。この時、素直に講師の書く式を真似して、正しい式を書くように注意できる生徒さんは女子の方が多い気がします。

これは非常に大切なことです。

式を丁寧に正しく書くことで思考の過程が明らかになり、見直しもスムースにできるようになります。多くの女子が持っている強みといっていいでしょう。

国語力が高く、問題文の読み取りミスが少ない傾向がある

近年の中学受験算数の傾向に「問題文の長文化」があります。

長文の算数の問題を解くためには、算数の解法を考える前に、まずは正しく問題文を読み取らなければいけません。文章の読み取り能力が不足していると、この段階でつまずいてしまいます。国語が得意な女子にとっては、このハードルをクリアするのはさほど難しいことではありません。これも、女子の強みといっていいでしょう。

「算数が苦手!」でも合格する入試戦略

「女子は算数が苦手」。筆者の経験上もデータ上も確かにこの傾向があると考えられます。

それでは、筆者が今まで一緒に学習してきた生徒さんで算数の苦手な女子は、みんな志望校に合格できなかったでしょうか?

もちろん、そんなことはありません。

算数の苦手な女子も、もちろん希望の中学校の合格を手にしてきました。あきらめずに正しい戦略を立てれば、中学受験の算数は怖くないのです。算数の苦手な女子は、どのような意識を持って、入試まで歩んでいけばいいのでしょうか。

計算のスピード補強と工夫で計算力を磨く

まず大切なのは、努力次第で上げることのできる計算力をとことん磨く戦略です。

日々の努力と工夫で、誰でも能力を上げられるのが計算力です。計算問題の反復によって計算スピードが上がれば、テスト中に解法を考える時間が増えます。家庭での学習でも、計算が速くて正確であれば、より多くの問題を練習できます。

「算数の成績を上げたい!」と考えると、「難しい問題を解けるようにならなければ!」と考えてしまうことはあります。

しかし、受験生全体の正答率の低い難問をマスターすることよりも、速くて正確な計算力をつけることの方が何倍も重要であり、計算力向上が「算数苦手女子」にとっての合格の切り札となり得ることを覚えておきましょう。

基本問題の習得に時間をかける

大手塾のテキストには基本問題から応用問題、発展問題へと段階を踏んだ問題が収録されています。

ここで意識したいのが、基本問題にじっくりと時間をかける戦略です。

塾の月例テストなどには応用問題が出題されるので、応用問題までマスターしなければならないと焦ってしまい、苦手意識に拍車がかかってしまっている生徒さんをたくさん見てきました。応用問題が解けるのはもちろんいいことですが、そればかりに気を向けているとますます算数が苦手になってしまいかねません。

大事なのは、時間がかかってもいいので、基本問題をしっかりマスターすることです。マスターする際には「その問題の本質までわかって解いているか」を確認するといいですね。

確認の仕方は簡単です。親御さんが生徒役、お子さんが先生役になって、お子さんに問題の解き方を説明してもらうのです。親御さんが納得できる説明ができれば合格です。しっかり問題の本質を理解していると考えられます。

「基本問題をしっかりマスターしたあと、余裕があれば応用問題にもチャレンジしてみる」といった意識で日々の学習を進めていくのがオススメです。

6年生後期は志望校の頻出単元に的を絞る

中学受験の目標は、志望校の合格です。ですから、志望校によく出てくる単元に力を注ぐ戦略も有効です。

この戦略は6年生秋以降のための戦略です。6年前期までは満遍なく、基本を中心にして勉強してください。いよいよ過去問にとりかかる6年生秋からは、志望校にあった学習をしていきます。その際、「志望校の問題に頻出かつ努力すれば得点できる」単元に注力していきましょう。限られた勉強時間を効率よく合格に向かって使うには、必要な戦略です。

お子さんの志望校の傾向をつかみ、得意不得意も理解している担当の先生にアドバイスしてもらいながら、「志望校に頻出かつ努力すれば得点できる」単元にしっかり時間を使っていきましょう。

入試は4科目の合計で合格が決まることを忘れない

受験は合計点での勝負です。算数の1科目受験を除いて、算数の点数だけで合否が決まるわけではありません。「算数が苦手=不合格」ということではないのですね。

学校や入試区分によって、科目から配点までさまざまな受験が用意されています。お子さんが受験する学校の科目数や配点、過去の合格者平均や合格最低点を分析して、「4科目(2科目)の合計点で合格する」戦略を立てるといいでしょう。

たとえば4科目均等配点の合計点で、合格最低ラインが4科目合計で6割だとします。算数が苦手で国語が得意なお子さんであれば、「国語7割、理科6割5分、社会6割5分」の得点があれば「算数4割」で合格最低点に届くということです。ほとんどの中学校の入試問題では基本問題がしっかりできていれば5割は得点できるような問題構成になっているので、「算数で4割」ならば、算数が苦手なお子さんでも合格が見えてきますね。

渕貴子
渕貴子

「均等配点」とは、算数100点満点、国語100点満点、理科100点満点、社会100点満点というように、4科目すべての満点が同じであることをいいます。いっぽう、算数100点、国語100点、理科50点、社会50点のように科目によって満点に差があることを「傾斜配点」といいます。

塾のテストで算数の点数が思うようにとれていなくても、すぐにあきらめる必要はありません。お子さんの志望校に合格する「合計点」を意識して、6年生秋以降の学習計画をたてていきましょう。

立体図形もセンスに頼らず手順を徹底すれば怖くない

空間認識能力が求められる問題を苦手とする女子はたくさんいます。ただ、志望校に頻出でなければそれほど心配する必要はないでしょう。

一方、苦手だけれど志望校の入試問題によく出題されるという場合は、克服しなければなりません。この場合は「空間を認識する能力を高める」のではなく「空間認識能力に頼らない解法を身に着ける」という意識で問題演習をしていくといいですね。

「立体を切断する」などの難しい問題でも、立体として考えずに「平面図で考える」というコツさえつかめば、空間認識能力が高くなくてもある程度の難易度の問題まで解けてしまうのです。

「立体図形はセンスに頼らない」を念頭に、塾の先生が教えてくれる「手順」「コツ」をつかむことに力を注いでいきましょう。合格するための最低限の点数は取れるようになりますよ。 

まとめ

【女子ならではの算数の強み】

  • 丁寧に書く読みやすい数字
  • 式をきちんと書ける
  • 国語力が高く、問題文の読み取りミスが少ない傾向がある

【算数の苦手な女子が合格するための意識と戦略】

  • 計算のスピード補強と工夫で計算力を磨く
  • 基本問題の習得に時間をかける
  • 6年生後期は志望校の頻出単元に的を絞る
  • 入試は4科目の合計で合格が決まることを忘れない

中学受験の算数には大人でも解くのが難しい問題がたくさんあり、苦手な女子にとっては本当に大変な勉強だと思います。

それでも、がんばって身につけた論理的な思考は一生ものです。そして、正しい戦略を立てて取り組めば、たとえ算数の苦手意識が払拭されないままでも志望校合格への道が閉ざされることはないのです。今回の記事が、がんばる受験生のお役に立てば幸いです。

渕貴子

サピックス小学部の算数科講師として20年以上勤務。

自分自身が中学受験をするだけでなく、算数の講師をしながら子ども2人の中学受験を経験。現在は算数の家庭教師として活動中です。

また、中学受験生の親としての経験から、保護者の方々の相談にも乗っています。

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