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【中学受験の算数】テストで時間が足りなくなる受験生のための7つの対策法・勉強法

算数

中学受験の要となる算数。多くの受験生が勉強時間の半分以上を算数の勉強に充てているのではないでしょうか。それなのに、テストになると制限時間内に終わらせることができず、日々の学習で培った力を存分に発揮できないと悩んでいる受験生・ご家庭は少なくないように思います。

せっかく学習したことが「結果」となって表れないと、本当に辛いですよね。

それでは、算数でテストの制限時間内に解き切り、力を結果につなげるためにはどうすればいいのでしょうか。今回は算数のテストの時間不足解消のための、日々の意識と対策法を紹介します。

典型題に対する反応を速くする

時間不足を解消するには、まずは中学受験算数で「典型題」と言われる問題に即座に反応して短時間で解けるようにしておきましょう。

例えば、以下のような問題が出たとします。

太郎君と次郎君がいくらかお金を持っていました。初めに太郎君が次郎君に、その時に太郎君が持っていたお金の3分の1をあげました。次に次郎君が太郎君に、その時に次郎君が持っていたお金の半分をあげました。最後に太郎君が次郎君に、その時に太郎君が持っていたお金の7分の2をあげました。その結果、ふたりとも1500円の所持金になりました。はじめ、太郎君はいくら持っていたでしょう。

この問題を読んですぐに「あの問題だな!」と過去に習った類似問題と結びつけられる受験生であれば、1分もかからずに答えが出せるはずです。その一方で典型題がしっかりと頭に入っていない受験生の場合は、5分前後かかってしまうかもしれません。この差がテストの際の「時間不足」になっていくのです

この問題は1分で解けた生徒さんも、5分で解けた生徒さんも正解して得点できたとしても、この差の4分が先に続く応用問題にかけられる時間に影響して、点数の差になっていきます。

まずは普段学習している典型題の本質を理解し、そのうえで類題を含めて反復練習。テストでは即座に反応して最短時間で解く意識を持っておくといいですね。

比を使いこなせるようにする

テストの際の時間不足の原因のひとつに「比を使いこなせていない」ことが考えられます。

4年生からスタートした受験算数の学習は5年生の途中から学習する「比」で、大きくステップアップするようになっています。それまで比を使わずに解いていた問題も、比を使うことによって、より速く簡単に解けるようになるのです。

ところが、今までのやり方に慣れているためか、不慣れな比を使って解くことを億劫に感じ、いつまでも比を使わずに解こうとする受験生は少なくありません。また、答えは合っているのでご家庭でも塾でも見過ごされてしまう場合があります。

そのためテストの際に「問題には正解できるものの、テスト全体で見ると時間不足で点数が伸びない」という状況になってしまうのです。

「比」を習ったあとは、お子さんが新しく習った最適な解法で解けているかどうかチェックしてあげてください。正解が出せるだけでなく、正解に辿りつけるまでの過程に注意を払う必要があるというわけですね。

ご家庭でのチェックが難しいようでしたら、お通いの塾の担当の先生や家庭教師の先生にノートを添削してもらって、最適なやり方で解いているのか見てもらうといいでしょう。

計算速度をあげる

テストの時間不足解消のために計算速度をあげる。ごく当たり前の対策ですね。しかし、「計算速度をあげる」と言っても、いくつかのアプローチがあります。

まずは単純に四則計算の速度をあげる必要があります。こちらは計算練習の量に比例するので、しっかりと時間を計って毎日練習していきましょう。また、暗算でできる範囲を広げていくことも大切です。少なくとも2桁×1桁(37×8など)は暗算できるようになっているといいですね。さらに、よく出てくる計算(3.14×□や平方数など)は答えを暗記してもらってください。

また「工夫して楽に速く解く方法」を意識しながら学習することも大切です。たとえば「2400円の2割5分引き」は工夫すれば暗算でも答えが出せる計算です。「2割5分引き」→「0.75倍」→「4分の3倍」と工夫すれば解きやすくなりますね。逆にこうした工夫を普段からできていないとテストの際も短時間で答えを出せずに、時間不足がおきてしまうのです。

計算上達のコツは以下の記事にまとめています。

数字の書き方を工夫する

数字の書き方を工夫することで、時間不足解消につながる生徒さんもいます。

算数を長年教えている講師の方の多くは「丸くて小さい字」を書きます。丸くて小さい字の方が「速い」「見間違いが少ない」「省スペース」だと考えて、そのような字になっていくのではないかと思います。達筆とは言い難いのですが、これが算数を解くのに最適ということなのだと思います。

大きい数字で筆圧の強いお子さんは、少し小さい字にして筆圧を弱めることでスピードアップが見込めます。普段書いている数字の書き方を変えるのは容易ではありませんが、「少し小さめに書いてみようか」や「手の力を少し抜いて書いてごらん」と声かけするだけでも少しずつ改善していきます。是非試してみてください。

作図の練習量を増やす

「自分で作図する必要のある問題」は所要時間の点で大きく差がでます。そして(だからこそ)このような「作図を必要とする問題」は難関校、最難関校では必ずといっていいほど出題されます。普段から自分で図を書いて解く練習が必要なのです。

塾での学習でもご家庭での学習でも、定規を使わずにフリーハンドで図をかけるように練習しましょう。フリーハンドで作図することに不慣れで戸惑うようなら、問題文に印刷されている図を自分で書き写すことからはじめるといいですね。作図のスピードは練習量に比例します。作図すればするほど手早く書けるようになる、つまり努力が報われるということです。図を必要とする問題は積極的に自分で作図して解く練習をしていきましょう。

また、テストの際には「今から書く図にはどれぐらいのスペースが必要か」なども考えながら作図する必要があります。これらを短時間で行うには相当な練習量が必要となりますので、4年生や5年生など早い段階から、「自分で図を書いてもらう」という視点でお子さんの学習を見守ってあげてください。

作図スピードが上がってくると、時間不足は大幅に改善される可能性が高いです。ぜひ意識してみてください。

長文の条件を読み取って整理する訓練をする

最近の入試問題は、問題文が長い傾向があります。文章が長くなるので、条件や題意の読み取りが難しく、多くの時間を必要とします。

この長い文章の問題を短時間で解ききるには、表やグラフや線分図や面積図などを駆使して「条件を整理する」力が必要となります。この「長い文章の問題で条件を整理する」訓練を積んでいる生徒さんとそうでない生徒さんで、所要時間に大きく差がついていきます

時間不足解消の最終段階では、この長文の攻略が必要になります。まずは前述した基本的な対策をしたうえで、長い文章を読み取って問題を解く練習も取り入れてみてください。

問題の取捨選択の力を養う

テストの際に時間が足りなくなってしまう場合、「自分の力で解ける問題」と「自分の力では解けない問題」の見分けがつかずに「解けない問題」に時間を使ってしまっていることが多々あります。「解ける問題」に時間を有効に使えるようになれば得点アップができます

問題の取捨選択の力は、主に6年生後半の志望校の過去問演習でつけていきます。時間を計って過去問に取り組む中で、「すぐに解ける問題」「解けるが時間のかかる問題」「解けそうにない問題」を見分けられるように練習していきましょう。

中学受験の算数のテストで時間が足りなくなってしまう受験生のための対策法・学習法まとめ

  1. 典型題に対する反応を速くする
  2. 比を使いこなせるようにする
  3. 計算速度をあげる
  4. 数字の書き方を工夫する
  5. 作図の練習量を増やす
  6. 長文の条件を読み取って整理する訓練をする
  7. 問題の取捨選択の力を養う

入試では「時間との戦い」は避けて通ることはできません。そうだとは言え、「とにかく急いで」という視点だけで乗り切れるほど簡単なものでもありません。今回の記事を参考に時間不足解消に対する有効なアプローチを確認していただき、日々のお子様の学習に役立てていただければ幸いです。

渕貴子

サピックス小学部の算数科講師として20年以上勤務。

自分自身が中学受験をするだけでなく、算数の講師をしながら子ども2人の中学受験を経験。現在は算数の家庭教師として活動中です。

また、中学受験生の親としての経験から、保護者の方々の相談にも乗っています。

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