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【サピックスの算数】マンスリーテストの対策法|4~6年生の学年別のポイントも!

サピックスの算数のマンスリーテスト対策 算数

サピックスの内部生のテストには「マンスリーテスト」と「組分けテスト」、「復習テスト」の3種類があります。

そのなかで範囲があってクラス昇降の制限があるのが「マンスリーテスト」。範囲がなくてクラス昇降の制限がないのが「組分けテスト」。範囲がありクラス昇降がないのが「復習テスト」です。

「クラス昇降の制限」とは、現状のクラスから上下できる幅の制限のことをいいます。制限があるテストの場合、どんなに成績が良くても、決められた範囲のクラスにまでしか上がることができません。また、逆にどんなに成績が悪くても、決められた範囲のクラスにまでしか下がりません。制限なしのテストの場合、成績次第で何クラスでも昇降します。

テスト範囲クラス昇降昇降の制限
マンスリーテストあり
(6年生後期はなし)
ありあり
組分けテストなしありなし
復習テストありなす
サピックスのマンスリーテスト、組分けテスト、復習テストの違い

この記事では、サピックスの算数科講師として勤務した経験、そして現在は家庭教師として生徒さんたちと一緒に学習している経験から、サピックスのマンスリーテストの算数の対策法をお伝えしたいと思います。

算数のマンスリーテストの内容は?

マンスリーテストは基本的に以下の要領で実施されます。

  • 時間:50分
  • 満点:150点
  • 一問あたりの配点:5~6点

算数のマンスリーテストは「日々の基礎力トレーニングの内容」と「平常授業の内容」がしっかり身についているかどうかの確認テストです。そうだとは言え、授業中に実施されるデイリーチェックのようにテキストの問題の数値替えではありません。少し切り口を変えて出題されたり、複数の内容が融合されて出題されたりします。

問題構成としては、多くの場合、以下の形式になっています。

  • 計算問題:数問
  • 一行問題:数問
  • 小問の集合でできている大問:3~4題

学年別の学習の心がまえと対策法

基本となる対策法を学年別にまとめます。月ごとの具体的な対策については、別の記事として少しずつアップしてければと考えております。少しお待ちいただけますと幸いです。

4年生の対策法|計算問題でしっかり得点することが重要

4年生のマンスリーテストでは、まず計算問題をしっかり得点することが大切です。4年生の間は5問程度の計算問題が出題されて、それだけで25点~30点くらいの配点になります。150点中の25点~30点ですから、20%弱の点数は計算で得点できることになります。

計算問題でしっかり得点するためには、日々の基礎力トレーニングの取り組みが必須になります。しっかり式を書けるお子さんはまだまだ少ないのですが、ノートに式を書きながら解くことで計算を工夫して行う姿勢が身に付きますし、自分のミスのパターンを探って、攻略を考えることもできます。基礎トレで計算にミスがあったときは、ただ計算し直すだけでなく、初回の計算の間違いの原因をつきとめて、色ペンで書き留めておくと効果的です。

また、マンスリーテストの計算問題をしっかり得点するためには、算数A授業のテキストにある「計算力コンテスト」に毎週取り組むことも大事です。こちらもできる限りノートにやってもらい、「式を書く」「計算の工夫をする」「自分のミスパターンを把握する」といったことに注意しながら取り組んでもらってください。

マンスリーテストで計算問題の次に出題されるのは、通常基礎力トレーニングの一行問題からの出題です。こちらは、基礎力トレーニングに日々きちんと取り組むことで得点できる内容です。この部分でいつも失点が多くあるお子さんは、マンスリーテストの前に、範囲の基礎力トレーニングの復習をすることをお勧めします。毎日取り組む中で、間違いやすい問題にマークをしておいてテスト前にもう一度解きなおしておくと正答率が上がると思います。

計算問題と基礎力トレーニングからの出題の後に、テスト範囲の授業のテキストからの出題があります。対策としては、テスト範囲のテキストの問題を復習しておくことです。

以下のイメージで復習しましょう。

  • 偏差値45が目標…☆の問題を復習
  • 偏差値50が目標…☆☆の問題を復習
  • 偏差値55が目標…☆☆と☆☆☆の問題を復習
    (テスト範囲のテキスト全てでは大変なので、範囲の中で苦手なテキストを2冊ほどやっておくのもお勧め)
  • 偏差値60以上が目標…テキストの問題の処理スピードを上げて、後半の応用問題にかける時間を増やす
    (徹底してテキストの問題の反復練習をしたうえで、応用問題にも意欲的にチャレンジするようにしていきましょう)

5年生の対策法|デイリーサポート、デイリーサピックスの反復が大事

5年生のマンスリーテストでは計算問題が2~3問程度と基礎力トレーニングからの出題があり、その後にテスト範囲のテキストからの出題があります。

4年生のマンスリーテストと比べると計算問題で得点できる割合が減っていますが、まずはしっかり計算で得点すべきなのは変わりません。日々の基礎力トレーニングをノートに式を書きながら取り組み、計算の精度をあげていきます。また、算数の授業で配られるデイリーサポートにある計算力コンテストに取り組みましょう。難易度順に4段階にわかれていますが、どのお子さんも3段階目までは毎週とりくむようにすると、マンスリーテストの計算問題が安定して得点できるようになります。

基礎力トレーニングの一行問題からの出題は4年生と変わりありません。図形の問題も増えてくるので、「ノートに解く」重要性がより増してきます。計算式や図をノートに書き込みながら、一つひとつ丁寧に理解しながら進めてください。

授業テキストからの出題部分に関しても4年生と大きく変わりません。デイリーサポートとデイリーサピックスのどちらかで苦手な部分の復習をすることが、テスト対策として有効です。どちらかというと、デイリーサピックスの方が難易度を表す☆がついていますので、お子さんの到達度に合わせて問題が選びやすくオススメです。

デイリーサピックスの☆を頼りにするのであれば、以下のイメージで復習しましょう。

  • 偏差値45が目標…☆の問題の復習
  • 偏差値50前半~後半が目標…☆と☆☆の問題の復習
  • 偏差値60以上が目標…☆☆と☆☆☆の問題の復習

6年生の対策法|前期中はデイリーサポートをしっかり復習することで力をつける

6年生のマンスリーテストで直前の対策をするのは夏期講習前までです。前期のあいだはマンスリーテストに向けてしっかり勉強をすることで力がついていきますのでがんばって取り組んでください。

いっぽう夏期講習以降は範囲のない「実力テスト」に変わります。また、9月からは志望校の対策プリントや過去問に追われて直前のテスト対策をする時間はありませんし、その必要もないと考えておきましょう。

前期中のマンスリーテスト対策として意識しておくべきなのは、やはり基礎力トレーニングです。毎日しっかり取り組む必要があるのは5年生までと変わりません。基礎トレの内容はそのまま入試問題に出題されてもおかしくないレベルになるので、解法知識の漏れがないようにしていきたいですね。

オススメの取り組み方は、毎日間違えた問題にしっかりマークをつけておき、マンスリーテストの前に解きなおす方法です。この際、時間がなければ計算問題は省いていいかもしれません。

次に意識したいのは、テスト範囲の平常授業のテキストの復習です。平常授業のデイリーサポートを解きなおしましょう。6年生の場合は、ほとんどのクラスでデイリーサポートが課題に出されていると思います(校舎や担当講師によってはデイリーサピックスの課題が出る場合もあります)。まずは担当の先生から指示のあった問題をしっかり復習するのが大切ですので、デイリーサピックスよりデイリーサポートでの解きなおしの方がいいと思います。

例えば、お通いのクラスで「導入と基本の全てとABCプリント」という課題が出されているのであれば、お子さんにその範囲をもう一度解いてもらい、解けるようになっているか確認しましょう。課題として出された範囲は十分に理解されているようでしたら、課題のひとつ先のプリントをやっておくといいでしょう。

マンスリーテスト前によくいただく質問

ここからはお悩み別の対策を紹介します。

Q:ケアレスミスでの失点が多いのですが、どうすればいいですか?

A:ケアレスミスでの失点が多い場合は、少し速度を落としてミスのないように見直しをしながら解き進めるようにしてみるといいでしょう。「テストは時間内に全て解かなくてはいけない」と思いこんでいるお子さんは多くいます。「全て解こうと焦らないで、自分が解ける問題を丁寧に解いた方が、点数が上がるんじゃない?」とアドバイスしてあげてください。「空欄があっていいんだ」と思うだけで落ち着いて取り組めるようになり、点数が上がる生徒さんもいます。

また、答えが出たあとにもう一度、問題文を読むくせをつけるのも有効です。答えが出たあとに問題文を読むと、自分が問題を思い違いしていたことに気付くことがよくあります。これは普段からご家庭で少しずつ習慣にしていくと、ケアレスミスの減少につながると思います。

Q:時間が足りないのですが、どうしたらいいでしょうか?

A:サピックスのマンスリーテストを50分で全てを解ききるには、かなりのスピードが必要です。テストの時間不足を解消するには、まずは計算スピードを上げる必要があります。単純な四則計算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)の速度も大切ですが、速く楽に計算する工夫をしているかが大事なチェックポイントです。

例えば45×18を縦書きの筆算を書いて計算している生徒さんと、90×9に変換して暗算で解いている生徒さんとはかなり処理スピードに差がついてしまいます。他にも、分配法則を利用して32×3.14+18×3.14を50×3.14にまとめて計算できているか、などもチェックしてあげてください。遠回りの計算のまま取り組んでいるお子さんには、計算の工夫を教えてあげることが重要です。

また、計算面で特に問題ない場合は、テスト範囲のテキストの反復練習が不足していないかチェックが必要です。テキストの基本問題を読んですぐに解き方が思いつくくらいまで繰り返し学習しましょう。きちんと反復練習が出来ていれば、マンスリーテストではテキストの類似問題に短時間で対応できるので、時間不足が緩和されます。

Q:応用問題が解けません。どうすればいいですか?

A:「応用問題が解けない」という悩みがあるということは、逆に言うと「基本的な問題は解けている」ということでしょう。「授業もしっかり聞いているし、マンスリーテストの前にテキストの復習もしていて、テキストの類題は解けているけれど、少しアレンジされた問題になるとできなくなってしまう」ということだと思います。

まずは間違えた問題の正答率を確認してください。正答率が10%以下のものは得点できていなくても気にしなくて構いません。サピックスのようにレベルの高いお子さんばかりの集団で10%以下の正答率になる問題は、その時点でできなくても問題ないと考えて差し支えないと思います。解説をみて、解き方を納得しておくだけで十分です。

正答率が11%以上の応用問題での失点は、次に活かしていけばレベルアップにつながります。(正答率の数字はあくまで目安です)

応用問題ができるようになるのに大切なことは、まず「問題文を読み取る力」をアップさせることです。問題文を2~3回読みながら、必要なアンダーラインやマークを入れて状況設定や条件を整理していく力をつけましょう。

一朝一夕にはつかない力ですが、テキストに載っている応用問題に少し時間をかけて(目安は15分)取り組んでみる日を作って練習してもいいですね。この場合、あくまで読み取る練習ですから、正解に辿りつかなくても可としておきましょう。

また、応用問題ができない原因は「手を動かさない」ところにあることも多いです。「数字を並べる」「線分図を書く」「表に整理してみる」など手を動かして紙に書きながらの試行錯誤ができていないということだと考えるといいですね。

こちらについても、テキストの応用問題に向き合う時間をつくることで練習できます。正解できなくていいので、手を動かしながら試行錯誤する時間をとってあげるといいでしょう。

算数のマンスリーテスト対策まとめ

マンスリーテスト対策は、入試に合格する力をつけていくスモールステップの一つです。マンスリーテストという機会を活かして数回分の授業を復習することで、基礎的な解法力が定着していきます。偏差値を上げていくことも大切ですが、1年後、2年後、3年後の中学入試に向けて、しっかりと力を養う機会にするイメージを持って学習に取り組むといいですね。

この記事はサピックスの算数科講師として20年以上勤務した経験から書いていますが、サピックスの公式見解であるとは限りません。お子様に合った情報は校舎の担当の先生に問い合わせてください。

渕貴子

サピックス小学部の算数科講師として20年以上勤務。

自分自身が中学受験をするだけでなく、算数の講師をしながら子ども2人の中学受験を経験。現在は算数の家庭教師として活動中です。

また、中学受験生の親としての経験から、保護者の方々の相談にも乗っています。

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