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【サピックスの算数】偏差値60を超えるための勉強法!

【サピックスの算数】偏差値60を突破する勉強法! 算数

サピックスの偏差値で60以上の中学校は「最難関校」と呼ばています。男子なら筑駒、開成、麻布、武蔵、駒東。女子なら桜蔭、女子学院、雙葉、豊島岡。共学なら渋谷幕張、渋谷渋谷、慶應義塾中等部などでしょうか。サピックスが実施している公開模試であるサピックスオープン(SO)の結果を見ても、これらの中学校に合格するには偏差値60以上を取っておくべきだということがよくわかります。

そうだとは言え、サピックスで偏差値60を超えるのはなかなか難しいと感じている受験生・ご家庭は多いように思います。実際「偏差値60をなかなか突破できない」とのご相談をいただくことは少なくありません。

今回の記事では、男子女子に関わらず、中学受験の要とも言える算数にしぼって、サピックスで偏差値60を突破するために必要な学習方法をお伝えします。

計算力の強化|四則計算の正確さと計算の工夫が重要

算数の土台となるのは計算力です。算数で偏差値60を超えるには、高いレベルの計算力が求められます。

この計算力をつけるために、まずは四則計算の速さと正確さは万全にしましょう。二桁×一桁の暗算などは当然のこととして、頻出する計算に関しては暗記してあることも絶対条件です。たとえば、2×2、3×3、4×4といった平方数については19×19までは覚えておくといいでしょう。

さらに、基礎的な計算力に上乗せしてつけたい力が「計算の工夫」です。

5の倍数の掛け算の工夫や分配法則を利用して式をまとめる工夫、小数と分数の交じった計算では瞬時に最適な形に直して計算する工夫など、中学受験の算数では計算を速く楽にする工夫がたくさんあります。これら全てを自在に操れることが大事になってきます。

こうした計算を無意識にできるレベルに達していれば、テスト中のエネルギーの全てを問題の解法を探ることや、不注意によるミスをなくすことに注げることになります。ひいては、サピックス偏差値60を突破できる力になっていくのですね。

※詳しい計算力の鍛え方は以下の記事をご覧ください!

深い理解を伴った問題演習|教わった内容を根本的に理解していることが重要

サピックスで偏差値60を超えるには、深い理解を持って日々の演習問題に取り組まなければなりません。

塾のテキストで習う問題は、そのままの形ではマンスリーテストなどの模擬試験に出題されません。塾のテキストで習った解法のエッセンスを使って、異なる問題の解法を自分で導かなくてはなりません。そのため、教わったことを根本的な部分・深い部分まで理解していることが求められます。

お子さんが根本的な部分・深い部分まで理解しているかどうかは、解法を説明できるかどうかで判断します。塾の先生のように他の人が納得できる説明ができるようになっていれば、その解法の深いところまで理解していると言えるでしょう。誰かに説明できる状態を目指して問題演習に取り組んでみてください。

テキストと類似の問題の処理スピードをあげる|テスト後半の問題を解く時間を確保する

サピックスの偏差値60を超えるためには、テストの際にテキストに載っていた問題の明らかな類似問題は短時間で解き終わらなければなりません。これは後半にある大型の問題を解く時間を確保するためです。テキストの類似問題にゆっくりと取り組んでいると、時間不足で偏差値60の壁を越えるのは難しくなります

普段の問題演習の際にも、「解ければOK」ではなく「もっと速く解く方法はないか?」と考えながら演習する姿勢が大切です。

初見の問題に手を動かして挑む|わずかなヒントを元に糸口を探す

サピックス偏差値60を超えるには、見たこともない(と感じる)問題、つまり初見の問題にもひるまずに解ききろうとするエネルギーが必要です。

初見の問題も攻略できる生徒さんには、とにかく「手を動かしている」という共通点があります。手を動かさないで考えている時間がほとんどないのです。解き方がわからない状態、暗中模索の段階からわずかなヒントを元に常に手を動かし、解き方がわかってからも手を動かし、答えを出す。答えが出てからも検算のために手を動かす、といった具合に常に手を動かしている生徒さんは、偏差値60の壁を越えられていることが多いのです。

初見の問題は、最初のうち問題文の意味が読み取れず、糸口が見つからないことがあります。そんなときでも「問題文にアンダーラインや丸印をつけてみる」「問題文を元にとりあえず数字や図を書き出してみる」「何らかの数値を当てはめてみて題意をつかもうとする」といったように手を動かしているうちに、今まで習った解法との類似点に気づき、問題を解く糸口をつかんでいきます。

塾や自宅で初見の問題に取り組むときに、とにかく「手を動かしながら考える」習慣をつけていくことが、偏差値60の壁を突破するのに必要です。

問題文は国語の問題文と同じように深い読みをする|問題を眺めるのではなく、読む

多くの生徒さんに「問題文をよく読みなさい」というと「読んでます!」という返事が返ってくることがよくあります。みんな「自分は問題文をよく読んでいる」と思っているのですね。

ところが、ほとんどの生徒さんは「問題文を見ている」状態です。「読んでいるのではなく眺めている」状態というとわかりやすいでしょうか。

最難関校の問題文を読むには、国語の問題文のように一字一句、きちんと読み込んでいく必要があるのです。国語と同じようにアンダーラインや丸印などをつけながら、複数回読んで題意を正確に掴むことが、サピックスの偏差値60を超えるためのポイントになります

そのためには、普段からある程度の長さの文章題を読みこんで題意を掴む訓練が必要です。塾のテキストにある長文の練習題をつかって、正確に読み取る練習をしていきましょう。その際、国語と同じように「音読」をすることも有効でしょう。声に出して読むことで「眺めているだけ」の状態から「しっかりと読む」状態にすることができます。もちろん、国語と同じように線を引くなど「手を動かしながら読む」練習をしていくといいですね。ぜひ、取り入れてみてください。

別解を大事にする|一つの問題に対して複数のアプローチを知っておく

サピックス偏差値60の壁を突破するには、「ひとつの問題にひとつの解法」では足りません。積極的に第2、第3の解法を習得していきましょう。

たとえば、中学受験塾の教室で起きていることをお伝えしましょう。授業では問題を解いてもらい、答え合わせをしますよね。このとき、正解した生徒さんのなかには、その後の解説を全く聞かない子がいます。これは、その生徒さんがひとつの問題にひとつの解法しかないと思っているから、あるいは、ひとつの解法があれば十分だと思っているからでしょう。これではサピックス偏差値60の壁は越えられません。

実際にはほとんどの問題には複数の解法が存在し、複数の解法をマスターすることで応用力がついていきます。自分の解き方、友達の解き方、授業中の先生の解説、テキストに載っている解説、こういった複数の解き方をどんどん自分の中にインプットしていって、臨機応変にアウトプットに利用できる力が、サピックス偏差値60の壁を突破するには必要です。

自宅学習の際にも「別の解き方はないかな?」と探す習慣をつけてみてください。

ケアレスミスを減らす|きれいな字と解答スペースの有効活用

人間はどんなに注意しても、ミスから逃れることはできません。まして中学受験生は10歳~12歳の小学生です。偏差値60の壁はケアレスミスの壁とも言えるかもしれません。

ケアレスミスをなくすには、まずきれいで見やすい数字を書くことが大切です。汚い字はそれだけでミスする確率をあげてしまいます。

また、答案用紙のスペースを有効に使うことにも気を配る必要もあります。お子さんのテスト後の問題用紙を確認してみてください。白い計算スペースがたくさん残っているのに、一部の狭いエリアだけで、ごちゃごちゃと式を書いて解いていないでしょうか? 問題を読み、解法を考え、その解法に必要と思われるスペースを問題用紙のどこに確保するか考える姿勢が必要です。

問題文で問われていない数値を解答してしまうミスも、よくあるケアレスミスです。解く前、解いている最中、解いた後と、何度も問題文を確認する必要があります。筆者はよく「問題文から離れない!」と声をかけるようにしています。

見直し、検算の力を上げる|「ミスは必ず起こるもの」という姿勢を忘れずに

先ほどお伝えした「ケアレスミス」はどんなに対策しても、常に発生していくものです。だからこそ、「ミスは必ず起こるもの」という前提のもとに「どんなときにミスが発生しやすいか」を把握し、「どんな見直しや検算をすれば、起こったミスを修正できるか」という視点で、見直しや検算の力をつけていくことが必要です

ここでも「ひとつの問題に複数の解法を知っておく」ことが有効になります。同じ計算問題でも、複数の解法が存在することがあります。その複数の解法を使って検算をすれば、同じ解法で検算をしたときよりも、格段に検算の精度があがるのです。

たとえば159×99という計算問題があるとしましょう。この計算は「速く楽に」という観点から考えれば159×100−159として計算することになります。しかしテストの際の見直しでは、同じ計算で見直すよりも159×90+159×9と考えたり、159×99をそのまま筆算で検算したりするほうがケアレスミスを発見しやすくなるのです。

また、解答した数値を問題文に当てはめたときに矛盾が起こらないかどうかといった見直しも非常に有効な見直しです。

たとえば「今、太郎君は3歳、お父さんは31歳です。今から何年後にお父さんの年齢は太郎君の年齢の5倍になりますか。」という年齢算の問題があるとします。解法は31−3=28、28÷4−3=4で4年後が答えです。(年齢算の解き方の説明は省略します)

このまま解答欄に4年後と書くのではなく、ここでもう一度問題文に戻って、「太郎くんは今3歳か。じゃあ、4年後は7歳。お父さんは今31歳だから4年後は35歳。35÷7は5だから、ちゃんと問題文通り5倍になっている!」と問題文にあてはめて矛盾がないかどうか確かめるのが、非常に有効な見直しとなるのです。

こうした見直しや検算のテクニックは、なかなか集団塾の授業では教えてもらえないものです。お子さんが有効な見直しができているか、ご家庭でチェックしてあげるといいですね。

まとめ

サピックス偏差値60を越えることは簡単なことではありません。しかし、紹介したポイントをおさえて取り組めば達成できない目標ではありません。ぜひ、日々の学習やテストの際に取り入れて、算数のレベルアップにお役立てください。

渕貴子

サピックス小学部の算数科講師として20年以上勤務。

自分自身が中学受験をするだけでなく、算数の講師をしながら子ども2人の中学受験を経験。現在は算数の家庭教師として活動中です。

また、中学受験生の親としての経験から、保護者の方々の相談にも乗っています。

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